『書と占い』

さいたまで活動している書家・占い師が日々の気づきをあれこれ書いています。

基本を叩き込む

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今日は書の話と近況です。

最近、楷書ばかり書いていました。

欧陽詢(おうよう じゅん)の楷書で書いています。 書き始めた頃は黒ばかりに気を取られて書いていましたが、 最近は布白に目が向くようになり、だいぶバランスがとれてきました。

なぜ楷書ばかり書いていたかというと、楷書を身体に叩き込んでおけば 草書(読めない字)や行書(少し読める字)など 手を早く動かして書く書体の時に、バランスが崩れなくなるからです。

一般の方にはわかりづらいかもしれませんが、 草書は基本が出来ていないと果てしなく汚い字になるので 王道でいくなら楷書が上手くならないと草書の上達は難しいです。 しみじみ「急がば回れ」だなぁ~と思う今日この頃です。

徹底的に楷書の練習して半年くらい経ったでしょうか、 久しぶりに草書を書いてみたところ(下の写真)、 面白いくらい手本を見る目が変わってきたことが自分でもわかりました。

一番下だけ少し雰囲気違いますが、すべて草書です。

今まで気づかなかった細部に目が留まるようになったり、 咄嗟に黒と白とのバランスで手本を感じられるようになっていました。

こちらは何 紹基(か しょうき)で書いた行書です。

草書を上達させたいなら草書だけを練習すれば良さそうなものですが 実際はそうではないんですね。やはり基本は大事です。

手相の勉強をした時もそうでした。 徹底的に生命線・知能線・感情線・運命線の基本四大線を勉強し、 そこから全体を勉強し、手全体を観られるようになると また基本四大線に戻って勉強し直します。 基本四大線の勉強も二回目、三回目の方が、より深くまで学べます。

私が所属している泰永会では今、級段位制は設けてはいないのですが つい半年前まで野尻泰煌先生に3級レベルと言われていた私の楷書も 先日とうとう1級の判定をいただき、 すべての書体を通すと、現在「初段」という状況だそうです。

しかし、「作品として仕立てる技量はすでに備わっている」ということで 作品については師範レベルと言っていただきました。

師が考えている級段位は、一番下を0とし、下から 9・8・7・6・5・4・3・2・1級⇒特級⇒準初段⇒初段⇒2・3・4・5段⇒臨師⇒師範⇒成家⇒役員 と続くもので、改めて「師範」というレベルの高さに驚きます。

以前、四柱推命の師匠浅野太志先生と一緒に書のお稽古を受けた時、 浅野先生が私の作品を見て本当に感動してくださいまして、 (浅野先生は直球タイプなので伝わります、ありがとうございます!) なんと!その作品を欲しいと言ってくださったんです!!

心から嬉しかったので邪魔になるかもと思いつつ差し上げたのですが、 「せっかくならもっと良いものを差し上げたい!」という思いもあって、 その後も、必死に書きました。

そして、今週またお稽古でお会いした浅野先生に 上の写真のどちらか(五枚でひとつの作品)を貰っていただきました。

進んでは基本に戻り、また進んでは基本に戻り、 そうやって基本により忠実に、 そして全体が底上げされていくんだなぁ~と実感しています。

 

高天麗舟