『書と占い』

さいたまで活動している書家・占い師が日々の気づきをあれこれ書いています。

時代を変える「少数決」

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もともと読書好きではないのですが、今から10~15年ほど前は よく自己啓発系や成功哲学の本などを読んでいました。

しかし、手相や四柱推命など占いの勉強をしたり、 易の研鑚のため易経を読み進めたり、 書作品の創作で老子道徳経などを読んでいくうちに 「成功しようという意識自体浅いんだな…」という(笑) 非常に心地よい冷めた境地に辿り着き、 日々、自分の器の中で精一杯生きるに至りました。

特に易経は、日常生活で易を立てながら勉強しているので もう、ぐうの音も出ないような原理原則を感じます。

中でも私が好んでいるのが「少数決」という原理。 いわゆる多数決とは真逆の、 「数の少ない者が、勢力があり主になる」考え方。

例えば上の写真は “地水師” という戦いの卦ですが、 六爻のうち、五つが陰で、下から二番目の爻だけが陽です。 陰の数が多いから陰が主体となっていると読むのではなく、

たったひとつの「陽=司令官」が 「陰=大勢の衆(兵)」を率いている

のように、一陽を非常に重要視します。

もっと簡単に少数決を言い表すと、 男子校に女子高生一人来たら、男子みんなが色めき立つくらい 女子高生一人の影響力は強い… というもの。(笑)

変わったことをすると何かと叩かれやすい世の中ですが

いつの時代も前例のないことをする人が現れ、 その他大勢の人は その人についていったり、流されたり、あるいは批判したりと いろんな形で結局は影響されながら その前例のない出来事が残っていくんだな… そういう人たちが時代を創っているんだな…

ということをしみじみ感じます。

いくら流行りの洋服を着て最先端のつもりでいても 既にあるものを着ているだけの追随者…なんですね。 皮肉です。(苦笑)

↑この本をGWの合間に読んだのですが、

バイクの事故で重度障害者になったある男性が 「ボランティアに頼るのはやめて、有料介助者を雇おう」と それまでになかった障害者自身が雇用主となるモデルをつくり、 それを機に、全国に自立生活センターが広まった…

というお話が載っていました。

やはり前例にないことをするのを恐れてはいけないですね。 心から勇気づけられました。

 

高天麗舟

※私が所属する泰永会の展覧会がオーストリアで開催されます。 この式典に出席するため、5月の鑑定はお休みします。