『書と占い』

さいたまで活動している書家・占い師が日々の気づきをあれこれ書いています。

右手と左手をどう観るか

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「左手は二重知能線で良い手相だけど、右手はそこまでではないわね。
 努力が足りてないですよ。もっと努力しないと。」

手相を習いたての頃、同じく勉強中の者同士で鑑定し合い、こう言われました。
この短絡的な判断がいかにも駆け出しといった感じです。

右手と左手の意味はザックリ以下の感じです。

左手:主に生まれ持った運や才能、内面、精神的なこと、35歳頃までの傾向
右手:主に自分で切り拓いた運や才能、仕事など現実的なこと、36歳頃以降の傾向

私の知能線(手のひら真ん中を横方向に走る線)は左手2本、右手1本。
先天運を示す左手に2本あるのに、現在の状況を示す右手に1本しかないので
「持っている力を出せていない」とマニュアル通りに判断されました。

当時の私は寝る間を削って手相の勉強をしていたので、この鑑定ではハズレです。
人の振り見て我が振り直せ。
それからたくさんのお客さまからお話を伺いながら何年か考えました。

利き手に関係なく、手相にかかわるエネルギーは
左手から入り右手から出て行くもの、と考えられています。

左手に頼もしい知能線があって、右手がそこまででない場合は
何か勉強していたり、たくさんのことを考えたり、インプットしている状態で
吸収したものをまだ実際に活用していない(アウトプットしていない)状態、
と判断した方が現実に沿っています。

そういえば、何年か前に拝見した三遊亭小遊三師匠の知能線もこのパターンでした。
左手は恐ろしく長く、右手は一般の方よりは長めですが左手ほど長くはありません。

若い頃より今現在の方が活躍されているのは、周知の通りですから
努力不足と一般的な判断をしてしまうと間違ってしまいます。

師匠の場合は、若い頃、落語のためたくさん勉強して噺を記憶したり創作したりと
かなりの集中力で知的な部分を養い、
今は、その多くの知識や記憶の中から、場に応じて必要なものを選び取っている
というものでした。

また、一般的に利き手が右手の場合、右手の線は左手より少なめになります。
特に細かな線(=細かな事に意識が向くことを意味する)は入りづらいです。

不思議なもので、多くの方はそれと同時に36歳以降(30代半ば過ぎ)、
あまり細かなことが気にならなくなったり
細かなことを考える時間がないくらい忙しくなったりします。

大切なのは、線の数より線の質です。蛇行やキレギレの線は好ましくありません。
スッキリ強く入っている方が吉相ですが、

両手とも細かな線がたくさんという方は、自分で何か率先して事をおこすより
人の気持ちを敏感に察知できる方なので周囲のサポートに向いています。
自分のことを後回しにし過ぎないようすれば、良さを生かすことができます。

左手より右手の方が良い手相である事の方が良いと、手相の本などで見掛けますが
やはりそんな単純なものではありません。
右手の勢いが強すぎると、この世的なものに意識が傾き過ぎる恐れがあり、
精神面が表れる左手も良い相であることが大事と私は思っています。

何事もバランスです。

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高天麗舟