『書と占い』

書家・占い師 の視点でみえた日常のあれこれ

「虚」でみること

以前もどこかで書いたかもしれませんが、10年ほど前の話。 某有名占い師が出演している人気番組が急遽終わることになり、 テレビ局の方で大慌てで占い師を探しているという話がありました。

私がお世話になった風水の先生の、そのまた師匠にあたる先生は 時々雑誌で取り上げられる実力ある先生なのですが、 その先生のところへもオファーがあったと聞きました。

しかし、真実を伝えられないのがテレビの世界であり、 その他様々な理由もあって断ったそうです。 「本物は表には出ないものなんだなぁ」それが私の感想でした。

それから遅まきながら私もフェイスブックというものを始めまして、 テレビには出ない“ネット上の有名人”という存在を知りました。

ある程度FB友達が増えれば「いいね!」の数も増すようですが 「今は誰でも有名人に成り得る時代なんだなぁ」というのが フェイスブックを始めての最初の感想でした。

ちょうど私個人が四柱推命で この世的な欲から解放される時期に入ったせいか それともただの天の邪鬼かはわかりませんが、 とにかくそれから私は、 誰でも有名人に成り得るなら有名になることに魅力を感じない という自分でもビックリな状態に入りました。

そして、その自分でもビックリな状態に入ると同時に 世間の奥に、もうひとつ別の世界があることが見えてきました。

排水溝が、遠くの水から大きくゆっくり静かに吸い込んでいくように 本当に大きな仕事・物事をこなす人というのは、世間と接することなく 静かにたくさんの人を巻き込みながら大きくゆっくり動いていく、 ということです。

しかし、知名度や稼ぎなど見えるものに反応するのが世の中ですから 当然この世的実質が伴っていない人の話など 世間は聞く耳を持ちません。

近くの水の流ればかりに気を取られていては、 遠くの水が動いていることには気づけないように これでは本当の意味での「実」には気づけないように思います。

目に見える「実」でなく「虚」の部分で物事をみることが 翻っては、本当の「実」に生きることになるのかもしれません。

 

高天麗舟