『突然ですが占ってもいいですか?』というテレビ番組、ご存じでしょうか。
占い師の私も毎回録画して観ています。(ヤラセだったとしても面白い)
BGMにどうぞ ↓↓
私の番組の楽しみ方は「この話の根拠、どの占術で出しているのかな?」とか
鑑定で使う言葉の選択や言い回しなど、参考にさせてもらっています。
お客様の信頼を得るため過去を言い当てることはとても重要なのですが、
実際の鑑定では過去の「ロックオン」より未来の話の方が主になってきます。
少し前の放送だったのですが、
某占い師が相談者に「運がいいから、・・・と決断して良い」など
「運がいい」という言葉を繰り返す場面がありました。
しかし相談者の表情は晴れることなく、曇ったまま。
そして結局、その某占い師のアドバイスと違う決断をされたと後日談がありました。
…これ、見ていてとても勉強になりました。
画面を通して見ていても、相談者の方に「運がいい」の意味や
具体的に「運がいい」がどういうことなのか?どういうことになりそうなのか?
が伝わっておらず、戸惑っている様子がわかりました。
「運がいい」…とても身近な表現なので安易に使ってしまいがちですが
悩みを抱えた相談者にとっては、ちょっと漠然とし過ぎて
具体的なイメージを浮かべにくいですね。
小学生の時、授業で遠足の感想文を書く課題が出されたのですが、先生が
「楽しかったのなら『楽しい』という言葉を使わないで、
楽しかったことが伝わるように書いてください」
と言っていたのを何故か覚えていて、それと同じだわと思い出しました。
また、どんなに師の手本に習って書の作品を書いていても
私が書いた作品からは、師のような奥行き・深さが出ていないことも同じです。
師が書いた手本と自分の作品をジックリ見比べ、何がいけないのか考えました。
そして師に
「ヘンな表現になりますけど、先生の手本は線の種類の数が違います。
先生のは違う線がいっぱいあるけど、私のは少ししかありません。」
子供じみた言い方ですが気づいた点を伝えると
「そうか、音数が違うかね?」
と(よく気づいたぞ♪ 的な)ほころんだ顔で言ってもらったことを思い出します。
経験浅い占い師の言葉は、確かに言い回す言葉の数が乏しいです。
なんとなく感覚で占い師自身はわかっているのですが、
それを相談者に伝えるのは、経験と
どれくらいその結果を理解しているか?勉強量にも比例していると思います。
もちろん、占い師のボキャブラリーの問題だけでなく、
占い師自身の人間としての幅も関係しているとも思います。
単調な表現では深みは出ません。
書も占いも、何でも簡単な表現で済ませず、
いろいろな方向から掘り下げて伝えられるよう自分を磨いていかないといけないな…
と、他人様の鑑定を見て気づかせてもらいました。
高天麗舟