書と占い「運」

書家・占い師 高天麗舟 が日常から考える「運」のあれこれ

後悔…今ならわかること

今から4~5年前、あるイベントで手相10分鑑定をしました。

そのイベントに、メジャーデビューを目指す、 シンガーソングライターの女性がいました。 「どうしても売れたい。絶対に売れたい。ブレイクスルーしたい。」 両手を広げたまま、一生懸命話してくれました。

しかし、その時、 その方の手に「努力が実るサイン」を見つけることはできず、 一瞬、なんと伝えればよいのか戸惑いました。

イベント後半、その彼女がステージに立ち、 ギター片手に歌ってくれました。 が、彼女の世界観に、彼女だけが苦しそうに奥深く入っていくのを 客席のみんなが引いて見守っているような状況でした。

話は変わりますが、 私が昔勤めていた職場の近くに、地元で有名なあるお金持ちが、 道楽で始めたケーキ屋さん(笑)がオープンしました。 パティシエもスゴイ人らしく、食材も選りすぐりの最高の材料で 贅沢の極みのようなお店です。

職場の友人がこうポツリと言いました。 「金持ちの道楽って、結局成功するんだよねぇ~」

たぶん、そのお金持ちは、 「いつも美味しいケーキを食べられたらいいなぁ♪」 という遊び心というか趣味で、「じゃ、店開いちゃう?」となっただけで ケーキ屋で一旗あげるためにオープンしたのとは違うと思うんです。

ま、憶測でしかありませんが、 余裕を持って楽しんで作られたものだから人の心を掴むわけで、 「ケーキ屋を成功させたいぃ~」という目的でオープンしたら、 そこまで評判の店にはならなかったのかな、と。

書の活動でもそうなのですが、 書くぞー!と気負ったり、良い評価を得たい!とスケベ心(笑)で書くと、 漏れなくこじんまりとした字になるもので、 そうでなく、人の評価を気にせず、とにかく書くのが楽しい♪の一心で ただ筆を走らせて書いたものが、結局作品になっています。

クドイですが、四柱推命の通変性で考えると、

作品を生み出すというのは「食傷」の星にあたるのですが、 自分自身を表す「比劫」の星が充分に満ち足りていないと、 苦し紛れに作るという状態を引き起こします。

話を戻すと、そのシンガーソングライターの女性に 歌える場がある幸せとか、歌を作り出す喜びとか、 自分自身が満たされている感覚が果たしてあったのか、疑問です。

また、作品には作家自身が滲み出てしまうものなので、 自分の思うよう表現しようとしても、 その人が表現したいものと掛け離れた人物であれば、 違うものが出来上がってしまうものです。

売れたい気持ちはわかりますが、売れるかどうかは結果です。 その結果を先に考え、しかも、そこに囚われてしまっては、 元も子もありません。

あの時の鑑定でもそれらしいことは伝えたつもりですが、 その後に積んだ書と占いの経験から、 今ならもっと的確に伝えられたのになぁ~と、 時々彼女を思い出しては、申し訳なく感じています。

 

高天麗舟