『書と占い』

書家・占い師 の視点でみえた日常のあれこれ

動く時を見極める

もう何年も前ですが、ある占い師の先生に教えていただきました。 「チャンスがあったら断らず即行動!それが運の良い生き方です」

確かにアレコレ思い悩んで動かない人よりも すぐ行動に移す人の方が人からの援助は受けやすいかもしれません。 私もこれまで仕事において、これをモットーに請けてきました。

ただ最近感じるのは、 すぐ行動することで、かえってカラ回りしている人も意外に多く、 結局は、欲に振り回されてはどうにもならない。 ということです。

その行動・過程が心から楽しいものであれば、辛さは伴いませんし、 結果がどうあれ楽しい経験は残りますから良いと思うのですが、 大半の場合は、 精神的な負担になっているのにガマンしてしがみついたり、 この行動が自分のためになっていると思い込んだり、 自分の欲や他者への気遣いでみずから運を傾けている感じです。

・・・ということに気づき始めた頃、 上杉鷹山の【見切り千両】という言葉に出会いました。

この先に何も見えてこない… これを続けていてもどうにもならない… そう判った時、 キッパリと見切りをつけて潔く手を引くことには、千両の価値がある。

・・・静かに染み渡りました。 やらなくて良いことに費やしていた時間・費用、そして精神的負担。 潔く手を引くことで、その重さがどれほどだったのかわかります。 そして、その分を別の仕事に尽力できるのです。

易でいうと、シコリが散って新たな仕事にとりかかれる等の意味を持つ 私の大好きな卦「風水渙(ふうすいかん)」でしょうか。

この【見切り千両】という言葉に出会ってからは、 それまで「とにかくチャンス!」と捉えて乗っていたすべての誘いを 冷静に受け止められるようになり、 先が見えないものであれば見送り(ほとんど見えない現実。笑)、 動くよりも「動かない」ことに重点をおいて過ごしています。

ありがとうございます。鷹山先生。

さて、その「見切り千両」ですが、最後はこれで締めくくられるそうです。

【無欲万両】

みずからの欲で動くのではなく、 やはり自然の「他力」がいちばんのようです。

 

高天麗舟