『書と占い』

さいたまで活動している書家・占い師が日々の気づきをあれこれ書いています。

運を塞ぐ意固地と独り相撲

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緒方泰州先生著「実践命稿集」という四柱推命の本があります。

四柱推命はもちろん、運(運勢)についての解説等も載っていて とくかく頷きっぱなしの素晴らしい本なんです。 そして頷いた言葉のひとつが以下の文。

良い運中には、多少の冒険をしてでもチャンスを掴むべきであり 悪い運中には見栄や自我や意地等の無用な物を捨て、 自分にとって一番大切な物を残す努力をせねばならず、 良い運に何を掴むか・悪い運に何を捨てるかに因って 運勢は随分と変わるものです。

・・・改めて、大きく頷いてしまいました。

良い運の中にいても、そうでない中にあっても 「人事を尽くして天命を待つ」の通り、やるだけやるしかありません。

しかし、巡る運とは別に、考え癖からでしょうか、 根本的に人事を尽くす方向を見誤っているのでは?というような 無意識のうちに自ら運を塞ぐ行動をとっているケースもあるようです。

希望や使命感に満ちた純粋な動機で事を成そうと全力で当たるのと、 「相手にギャフンと言わせたい」という恨み節の意地や 「自分がやればいいんでしょう」などの逆ギレ的な意地、 さらに「もう自分なんかこれでいいんだ」という卑屈さからの意地で 事を成そうとするのとでは、辿り着く方向が違います。

意地になった時点で人の声を聴けない状態に陥ったのと同じで 自分の置かれた状況を客観視できなくなっています。

それだけでなく、意地が原動力だと相談相手が自分だけになり、 より頑固になって、その後はバランスを欠く一方でしょう。

またそれとは反対に、 なんとか自分の立場を確保しようと常に周りの雲行きを心配し、 現状把握や周囲と自分との距離把握のため、 コマゴマ動くことに全力を尽くしているケースもあるでしょう。

あっちに気を遣い、こっちに気を遣い、 結局自分の行動で自分自身を縛ることになってしまいます。

あれだけ気にしていた周りは何にもしていないのに 勝手に自分で自分を縛りつけて苦しんでしまうのです。

意固地や独り相撲というのは、自分の思いを基点には起こりません。 他に対する思いや他からみた自分等、他を基点に立ち上がる思いで 自分以外の者に支配された状態といえるでしょう。

なかなか難しいですが、 どんな運の中にあっても「自分はどうしたいのか」に集中して そこに忠実になることで、 的確に掴むものと捨てるものを選択できるのだろうと思います。

 

高天麗舟