『書と占い』

書家・占い師 の視点でみえた日常のあれこれ

大器免成

泰永書展、無事終わりました。 雨の中、会場に足を運んでくださったたくさんの皆様に 心から感謝いたします~!!

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こちらは私の作品で、老子道徳経の39~41章を書きました。

この中に、「大器晩成」という文字が書かれているのですが、 (ヒント:一番左の軸です) “大人物は世に出るまでに時間がかかる” という解釈でおなじみの言葉です。

なんですが、 …大方無隅 大器晩成 大音希声 大象無形…と続くこの文章。 (一番左の軸の、右列に書いてあります) 徳間書店の本によると、

またとなく大きい四角は角が見えず、 またとなく大きい器は完全な器とは見えず、 またとなく大きい音は耳に聞こえず、 またとなく大きい形は判別できない、

と訳されており、 大きな器について、「時間はかかっても完成する」となるはずのところ、 無理やり否定形にされてしまっています。

いったい、どういうことなのよ??

というのが、どーしても気持ち悪くて、 腑に落ちないまま展覧会を迎えるのは避けたかったので 展覧会前日、ちょっと調べ直してみたんです。

そしたら!蜂屋邦夫さんが書かれた老子の本に 〝近年出土された老子の竹簡には「大器免成」と書かれており〟 という内容が載っていたのです!!

「大器免成」となると否定形の文章になるそうで、 “大いなる器は完成しない” と、とても調子がととのいます。

ということで、こちらの漢字が正解のようです。 あ~スッキリ♪(笑)

じゃ~「大器晩成」って言葉はウソなのか?というと、そういうものではなく 「大器晩成」で通っていた1,800年もの歴史があるんだそうです。

大きな器は完成するまでに時間がかかる ↓ 大物は世に出るまで時間がかかる

これもある意味納得なのですが、老子的には、

大いなる器は完成しないものなんだから、 作為たっぷりに大物になろうなんて小賢しく生きるな! 完成する程度のものは小物だよ♪

でしょうか。 正解はわかりませんが、私はそう受け取りました。

あ~、肩のチカラが抜けるわ~♪ ありがとう、老子!!

今年の作品は王羲之(おう ぎし)の伝統にそって書いてみましたが、 来年は張 瑞図(ちょう ずいと)にチャレンジしてみようかな。 「エッジのきいた」を通り越して「刀で切られるような」作品に憧れます。

高天麗舟

 

以下、展覧会作品の一部です。

我が師、野尻泰煌の作品。

イタリアからの作品、釘が見えます!

小さいのに圧倒的な存在感!

ありがとうございました。

高天麗舟