『書と占い』

さいたまで活動している書家・占い師が日々の気づきをあれこれ書いています。

その場でしか味わえないこと

先週、ジャン・フォートリエ展 に行ってきました。

「これはあなたも観ておいた方がいい」とのことで、
書の先生が連れていってくださったのですが、
顔が緑色で手が青いおばあさんの絵をはじめ、
抽象的過ぎてまったくよくわからない作品が多数。

「先生は絵を観るとき、
 どういったところに注目して見られるんですか?」

会場に入ってすぐに質問してみると、
人物が描かれたところではなく、背景の方を指さして
「マチエールだね」
と、おっしゃいました。

…ま、まちえ~る???

たぶん、生まれて初めて聞いた単語です。

会場を進むと、絵画というより焼き物のような質感の
立体的な作品ばかりが並んでいました。

これも絵なんだぁ~?
不思議な気持ちのまま会場をあとにしました。

帰宅後。
えーっと、まちえーる、まちえーる…

マチエール:素材・材料によってつくり出される美術的効果

なるほど。この目で見られてよかったわ♪
遅まきながら、感動がジワジワよみがえってきました。


そして、先日の土曜日は、
アートテラー・とに~さんのアートツアーに参加しました。

上野で、終了間際の 法隆寺展 と バルテュス展 の
豪華二本立て企画。

法隆寺展では特別に、
東京藝術大学大学美術館(ながっ)の担当学芸員さんが
観賞前に見どころや裏話などをお話してくださいました。


特に面白かったのは、
ベルトのバックルのような「獅子噛(しがみ)」について。
(ポスター右側の国宝毘沙門天立像にもついています)


ここのお顔と本体の仏像のお顔が、なぜか似ている…
という話。


手相ばかり観ていて、そこはノーマークでした。(笑)
おかげでまた、仏像をみる楽しみが増えました♪


また、お寺から仏像展などにで出展される仏像は
お寺を出発する前に一旦魂を抜き、
魂が抜かれた状態で展示されていたりするそうなのですが


この法隆寺展で展示された仏像に関しては、
法隆寺からお坊さんが5名もいらっしゃって、
この美術館の中で魂を入れる儀式(?)をなさったそうです。


ということで、この展覧会にある仏像は魂入り♪なんですって。


目に見えるものではないので、
人間の勝手な思いと感じないわけでもありませんが、
その情報を知っているのといないのとでは、
有難味がかわってくるような気もしました。

 

そしてバルデュス展では、とに~さんに
「展覧会を観る時、どういったことに注意しながら観てますか?」
と質問してみました。


いくつか答えてくださいましたが、
学芸員さんが一番チカラを入れているのが、展示の仕方らしく
そこに学芸員さんの個性や狙いなどが表れているのだそうです。


たとえば、通路正面に大きな絵を展示し、
その両脇に小さ目の絵を配置する


とか、


バルデュス展で言えば、自画像のとなりに
その自画像に似た人が描かれた絵を配置することで
多くの人に「その人もバルデュス本人だ」と気づいてもらえる…


など。


額縁もそうですが、こういったことは図録にも載っておらず
展覧会の会場でしか味わうことができない楽しみのひとつだと
教えてくださいました。


な~るほどねぇ~。


旅行に行ったら、
そこでしか食べられないものを食べる楽しみってありますね。


その時・その場でしか味わえない楽しみをみつけることで
より有意義な時間を過ごせるようになるのかな~♪と思いました。


バルデュス展・法隆寺展、ともに6月22日(日)までです。