『書と占い』

書家・占い師 の視点でみえた日常のあれこれ

プロにタダで頼むということ

昔、〝笑っていいとも〟という番組での話。

テレフォンショッキングのコーナーに歌手が登場すると、 会場から「歌って!」と声が掛かることがありました。 歌うつもりでみずから楽器を用意してくる方もいて、 そういう時は番組を観ていて、少しトクをしたような気持ちになりました。 そして特にファンでもなかったのに、そのサービス精神に心を掴まれ、 結果、好意的に感じるようになった歌手もいました。

これと真逆の方もいて、今でも記憶にあるのですが、 会場からの「歌って!」の声に 「俺はコレでメシ喰ってんだ!タダじゃ歌わねー!」 と一蹴した歌手もいました(笑)。 …笑いと同時に、会場の微妙な空気がテレビ前の私にまで届きました。

そうそう、 昨年、ゲッターズ飯田さんの講演を聴いたという友人から聞いたのですが ゲッターズ飯田さんは街中で声を掛けられると、女子高生でも誰でも その場で手相を観ているそうですね。

もちろん鑑定ではなく、目立つところだけ伝える形だとは思いますが、 それでも「ゲッターズに手相みてもらったんだぁ~♪」というのは かなりおトクな思い出になりますよね。

ゲッターズ飯田さん、さすがだなぁ~と思います。 だからテレビや雑誌でも長いこと支持されているのだろうと思いました。

しかし、プロにタダでお願いをするということは、そのプロの方が それまで培ってきた技術を習得するまでの苦労と時間とお金…その他、 様々な背景を無視することでもあります。

プロって、ちょっとしたお願いでもトコトンやってしまう質なもので、 なかなか「タダだからテキトーでいいや」とはなりません。

私もたまたま参加した集まりなどで「手相を仕事にしている」と伝えると、 偶然その場に居合わせた関係もよくわからない方や、 恐らく二度とお会いしないであろうという方に、 「ちょっと観てよ!」とその場で両手を広げられることが少なくありません。

日頃お世話になっている方や仲の良い関わりの中での話なら別ですが、 それ以外の関係となると正直、複雑です。

私が簡単に頼まれないくらいの偉人にでもなってしまえばいいのですが、 それも今世で達成できるかどうか…(苦笑)

ということで、こういう場合。 「タダじゃ観ません!」と言ってしまうとその場がギスギスしてしまうので、 たくさんのサンプルを観ることが出来てラッキーと気持ちを切り替え、 ほん~~~の少し、さわりの部分だけ伝えています。

そうでないと、今まで私に鑑定を依頼してくださり、 鑑定料を支払ってくださったお客様に対して失礼になりますから。

こういう複雑な思いをする中で、 自分は、プロの背景を汲み取れる人間でありたいと強く思います。

そして万が一、 自分が周囲に常にチヤホヤされるほどの大物になったとしても、 プロとして仕事している方には敬意を持って接することができるよう、 気配りできる人間でありたいと思っています。

やっぱり小物にまで気配りができて、はじめて大物だと思いますので。

 

高天麗舟