書と占い「運」

書家・占い師 高天麗舟 が日常から考える「運」のあれこれ

美人の落とし穴

私は二十歳から設計事務所で働き始めて、 事務所の方にはかなり可愛がってもらいました。 元々女性の少ない職場だし、なんてったって若かったから。(笑) わからないことがあれば、みんなが親切に教えてくれました。

でも、いつも考えていたことは、 「みんなが可愛がってくれるうちに使いものにならないと。 のん気にアイドル気分でいたらエライことになるわ…」 という危機感。

その事務所は実施設計が少ないところだったので、 ここじゃ腕は上がらないわと、別の設計事務所に移りました。

新しい事務所は人数の少ない職場だったので、 下っ端の私にも結構たいへんな図面を描かせてくれました。 しかしバブル崩壊の影響か、 所長がある日突然くも膜下出血で危険な状態に。 …事務所は倒産。

友人のお母さんが営む設計事務所でバイトしながら、就職活動。 景気は悪いし苦戦すると思ったのですが、意外とアッサリ決まりました。

職場の環境になれてきた頃、上司に 「たくさん応募があった中、どうして私を採用したんですか?」 と質問すると

「顔♪」

と一言返ってきました。

あまりの唐突さと露骨さに心底ビックリしました。そして、 自分の努力とはまったく関係ないところで評価されていたショックが 後からどんどん押し寄せてきました。

上司が言うには一応理由はあって、 「面接した人の技術に大きな差はなかったんだよ。 だったら可愛いコがいい!と思って♪」 という…苦笑。

この容姿に生まれて運が良かったとしか言いようがありません。 人よりチャンスに恵まれることついては、感謝の気持ちしかありません。

しかし、実力があってもなくても人目につく容姿。

(自分では思っていないけど、あえて書きます) 美人には、実力を問われない落とし穴があり、 実力がなくても表に出る機会を与えられる怖さを含んでいます。

きたない字を書く美人書家。 当たらない美人占い師。

最も避けたいところです。

美貌は年齢とともに衰えますが、 技術と品格はどんなに年齢を重ねても保たれます。

私は、そこに憧れます。

 

高天麗舟